【サモトラケのニケ】は、1863年にエーゲ海のサモトラケ島で発見された、翼を広げた勝利の女神ニケが空から船の船首へと降り立った様子を表現した彫刻です。
この頭部と両腕は失われている彫像は、ヘレニズム時代の彫刻の代表的な作品で、世界中に無数のレプリカやコピー、模倣品が存在していますが、本物はパリのルーブル美術館に展示されています。
今回は、ルーヴル美術館の三大作品の一つとして世界中の人々に愛されている【サモトラケのニケ】の鑑賞ポイントを1分解説します 🧐
パリに来る予定のある方、ない方、どちらの方々にも知識として役に立つ記事にしようと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
【La Victoire de Samothrace】
サモトラケのニケは紀元前190年頃の周辺諸国との海戦の勝利を記念して制作された彫刻と言われています。作者は不明です。
1863年、考古学の愛好家だったフランス人外交官シャルル・シャンポワゾによって発見されます。発見当初は、胸から下の胴体部分、左の翼、幾つかの破片が見つかっただけでしたが、後に台座となる船の彫刻が発見されています。
発見から修復が行われ、約20年後の1884年には、ほぼ現在と同じ姿でルーヴル美術館館内に展示されています。
ちなみにニケとはギリシャ語で『勝利の女神』という意味だそうです。世界中で愛されているスポーツメーカー NIKE (ナイキ)の、ブランド名やロゴデザインは、女神ニケが由来になっているって知っていましたか?スポーツメーカーにはぴったりの由来ですよね。
話を戻します👏👏👏
ルーヴル美術館内のドゥノン翼とシュリー翼の境、ダリュの階段の踊り場に、高さ3m近くある女神像が立っています。地上階から1階へと階段を上がっていくと、船の船首に立っている女神ニケが翼を広げているのが見えてきます。
ニケは、古代ギリシャの人々が着ていたキトンという薄いドレスを纏っています。前方から吹きつける風が、キトンを後方へとたなびかせ、そして薄い布は風圧で体に張りつき、透けているように女神の美しい体を感じさせます。
均整のとれた体と、大きく優美な翼との絶妙なバランスが特徴的です。頭部がなく、女神の表情が分からないためか、広げた翼の美しさが際立っているように思えます。
鑑賞する度に、失われた部分がどんな姿をしていたのか、思いを巡らせています。
また、ニケの真上にある天窓から差し込む、太陽の光の効果もまた、神々しい雰囲気を演出しており、人々を魅了しているのでしょう。
ぜひルーヴル美術館に足を運んだ際は、記事を参考に鑑賞してもらえると嬉しいです😌
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