今回は、パリの街に佇むパブリックアートの紹介です。
先日、アメリカ人現代アーティスト Jeff Koons (ジェフ・クーンズ)によりパリ市に寄贈された彫刻作品『チューリップの花束』がプチパレとコンコルド広場の間に位置する公園に設置されました。
高さ13m、重さ約60トンを超える、この巨大な作品はフランスのアートシーンでは度々非難され、パリではかなり物議を醸し出し、話題になっていた作品です。
気になりませんか?😌
【LOCATION】
作品のある Petit Palais (プチ・パレ) のロケーションはコチラ!凱旋門を見て、シャンゼリゼ通りを歩いてコンコルド広場に抜ける観光途中に作品を目にすると思います。
アドレス: 1 Avenue Dutuit, 75008, Paris
【Jeff Koons とは?】
この作品を作った Jeff Koons はポップカルチャーを主題とし、バルーン・アニマルのような鏡面処理を施したステンレス製の彫刻作品が特徴なアーティストとして知られ、現役で活動している現代美術家の中でも、オークション市場で最も高価格で取引される作家の1人です。
【チューリップの花束】
今回話題の作品は、2015年から2016年にかけてパリやニースなどで発生したテロ事件に関して、アメリカ国民のフランス国民に対する連帯の念を表明する目的で、寄贈された記念碑的作品です。
米仏の人々の友好を示すため、トーチを持った『自由の女神』の右手を参考にしており、11本のチューリップを手で握っている様子は、『人間の精神の喪失・再生・活力』が表現されています。
【パリ市民の声】
実はこの作品、2016年11月に寄贈が発表された直後から、すでに反対署名運動が始まっていたんです。
フランス人の『いや、いらん!』という本音でしょうか。反対理由をまとめてみました。
①Jeff Koons からパリへの寄付となっているが、実際のところ贈られるは、モニュメントのデザインのみ。
②制作にかかる 350万ユーロ (4億円以上) もの費用はパリ市が負担。
③はじめに展示場所を希望された Palais de Tokyo はテロの起きたエリアからは離れており、『寄付に便乗したアピールなのでは?』という残る疑惑。
④エッフェル塔を望める Palais de Tokyo のエントランスに巨大な作品を置くことで景観が損なわれる。
などなど。いずれにせよ、アート作品は賛否がともなうものですが、長い間こういった論争を経て、『チューリップの花束』は設置されています。
【まとめ】
80年代の Jeff Koons の作品は革新的でしたが、今では量産的でエンターテイメント性の高い投機対象としてのアートの象徴に成り下がっているイメージがあり、このような公共の場所に作品を置くことは、宣伝パフォーマンス行為に感じる方が多いのかもしれません。
果たしてこの作品がパリ市民に何をもたらすのか。
皆さんも、パリにお越しの際にシャンゼリゼ通りを散歩の際は、ぜひ Jeff Koons の作品をチェックしてみて下さい😌