セーヌ川を挟んでエッフェル塔の対岸にある、パリ16区の高級住宅街として知られるパッシー地区には、フランスのアール・ヌーヴォー建築の代表的な建築家 Hector Guimard (エクトル・ギマール)が設計した建物が数多く残っています。
【アール・ヌーヴォーって何?】
Art Nouveau (アール・ヌーヴォー)とは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に一世風靡したデザイン運動のことです。花や植物などをモチーフや、曲線を組み合わせた装飾性、鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴として挙げられます。デザイン分野は建築、工芸品、グラフィックデザインなど多岐にわたります。
街全体がフォトジェニックなパリの街ですが、特にアール・ヌーヴォー建築は目を惹き存在感があります。カメラ片手に建築写真散歩もパリならでは、ということで代表的なアール・ヌーヴォー建築を紹介していきます。
【Castel Béranger】
1898年に建てられた6階建のアパート Castel Béranger (カステル・ベランジェ)は、パリで初のアール・ヌーヴォー建築でギマールの代表作です。外観には砂岩、煉瓦、タイル、鉄と、さまざまな素材を寄せ集めた形となっており、統一感のないデザイン性から、建築名をもじって Déranger (迷惑をかける) な建築と当時の世間からは批判を浴びたようです。
アドレス: 14 rue Jean de La Fontaine, 75016 Paris
《16区のギマールの建築アドレス》
Castel Bérangerの近隣にあるギマールの建築 5箇所のアドレスリストです。Google Mapsで検索してピンを落として効率よく散策してみて下さい。
①60 rue Jean de La Fontaine, 75016 Paris
②11 rue François Millet, 75016 Paris
③122 Av. Mozart, 75016 Paris
④2 villa Flore, 75016 Paris
⑤18 rue Henri-Heine, 75016 Paris
【Jules Lavirotte】
ギマールに次いでフランスのアール・ヌーボーの建築家として活躍した Jules Lavirotte (ジュール・ラヴィロット)の建築もまた、存在感があって写真を撮るにはオススメです。こちらの建築は7区エッフェル塔側にあるので、観光ついでにぜひ。
アドレス: 29 Avenue Rapp, 75007, Paris
《まとめ》
パリ滞在期間中、地下鉄駅の入り口のデザインや、ギャラリー・ラファイエットの天井のステンドグラス、レストランの内装など、知らず知らずにアール・ヌーヴォーのデザインに触れる機会があると思います。
暮らしに密着したアール・ヌーヴォー様式のデザインをパリの街を散策しながら、楽しんでみてはいががでしょう。
Bon voyage!